2017年1月15日日曜日

ゲームクリア感想78:Everybody's Gone To The Rapture -幸福な消失-(PS4版)

多忙な方向けに、先に重要なことだけお伝えします。

・2017年1月、PS Plusでフリープレイ配信中
     (あと2週間しかないので気になるなら早めにダウンロード)
・結論から言うとかなり推せる

以上です。

一昨年のPS Store配信当時から気になっていたものの、価格に見合う内容かどうか不安でカートに入れては削除を繰り返していたゲームでした。
今回、PS Plus会員向けにフリープレイとして配信されたので、これはまさに好機と思いダウンロードしました。

クリア時間は約7時間。プラチナトロフィー取得の周回を含めると約12時間です。
実質4周しましたが、その甲斐あって無事にプラチナ取得できました(効率的にやれば2周で済みます。私は攻略情報を見たにもかかわらず凡ミスで周回が増えました)


【良かった点】

◎ゲームプレイに大きく寄与しているグラフィック

 「グラフィックが良くても面白いゲームになるとは限らない問題」に対しての(数少ない)グラフィック側の解答かなと感じました。誰がどの環境で遊んでも「おっ綺麗じゃん」と感じるレベルです。4周しても飽きることのない「周回に耐えうる高グラフィック」という貴重な体験をしました。
 勿論、基本操作が「移動」と「調べる」だけで複雑な操作がなく(ボタン数個とコントローラの6軸検知しか使わない)、プレイ時間も短い小規模な作品だからこそ作り上げられた、というのもありますが……

 田園風景や湖、なんでもない公道、そして星の瞬く夜空まで、どこでスクリーンショットをとっても絵になるような作りで、本当に旅行に来ているような感覚を味わいました。
 とにかく、移動それ自体がゲームみたいな内容なので、道中のグラフィックが高品質なのは高ポイントでした。

◎荘厳なBGM

 このBGM抜きにはゲームが成立しないです。
イメージに反して意外にも無音になることが少なく、プレイ中はほぼBGMが流れています。また、メインイベントクリア後のBGMいずれも流れるタイミングが絶妙。

◎ストーリー・世界観

 住民が消失したイギリスの村を訪れて、村内を歩き回りながら消失の手がかりを探るというのが主な話の流れです。光球に触れて(コントローラを傾けて操作)見られるメインイベントと、その場に近づくと自動再生されるサブイベント、その他音声ログやオブジェクトなどから真相を推測していく一人称視点アドベンチャーとなっています。

 素材の使い回しこそありますが、本当に村一つ丸ごと作ってあるようなボリュームで、事前に危惧していたような内容の薄さは感じませんでした。勿論一日でクリアできてしまう程度のボリュームですが、急いで進めるようなゲームでもありませんし。

 そしてストーリーですが、キリスト教・終末思想・SF・人間ドラマなどの要素が詰まっていて、詳細に説明されることなく進んでいきます。私は断片から真相を考察していくタイプのストーリーが好みなので、この辺は楽しめました。
 ただ、若干宗教色が強めなのと、メインキャラクター2人がかなり嫌な奴(作中でも指摘される)なので、その辺で人を選ぶかもしれません。

◎トロフィーが美味しい

 これといった技術を必要としない上に、ブロンズ×4・シルバー×6・ゴールド×8・プラチナ×1という構成なので、収集家にもおすすめです。私も2周目以降、攻略情報を参考にして無事取得しましたが、初周くらいは情報を遮断して遊ぶのをおすすめします。
 時間も短いですし、くまなく探索していれば偶然に取れてしまう程度には難易度が低いので(私も書籍関連のトロフィーだけは偶然取れました)。

◎(日本語版のみ)高品質なローカライズ

 字幕吹替完備です。吹替も違和感なく聞けた上に、演技も熱演で非常に良かったです。


【気になった点】

△遅すぎる移動速度

 このゲームのレビューでは欠かさず指摘されている点です。
左スティック傾けで歩き、R2長押しで早歩き(走りではない点がポイント)となりますが、この早歩きをデフォルトの歩行速度にしても良かったと思います。実際、早歩きでちょうどいい塩梅になりました。
 このゲームで全力ダッシュするとプレイ感が台無しになるので、あえて実装しなかったと思うのですが、早歩きと早歩き+1程度ならギリギリ体験を損なわずに済んだのではないでしょうか。

 せっかちなプレイヤーは、この早歩きでも我慢できずにゲームを中断してしまう可能性がかなり高い(それくらい遅い)ので、移動速度だけの理由で投げ出されてしまうのは勿体ないと感じました。

△動作がやや不安定

 フリーズは一回、他カクつきが何度か発生しました。フリーズした時は早歩きでグイグイ進んでいたので、恐らくそれが原因と思われます。
 高グラフィック故にどうしても描写に負荷がかかる(?)のでしょうが、基本はゆっくり進むゲームなので、過度な心配は不要です。

△大きい光球の発動が解りにくい

 メインイベントを全て見ると出現する大きめの光球は、他の光球より発動に時間がかかるのですが、当初はそれに気付かず、反応が悪いのかフラグ立てが不足しているのか迷いました。
 実際は「大きい反応を示す角度にコントローラを傾け続ける」が正解でした。この辺は特に楽しい操作でもないので、ちょっとモヤモヤが残りました。


【まとめ】

 PS Plus会員になった甲斐のある、予想外の良作でした。これなら配信当時に定価で買っても良かったと思わされました。今回はフリープレイでプラチナトロフィー取得まで堪能させてもらいましたが、年金の納付猶予みたいに追納してもいいくらいです。

 「気になった点」に3つ挙げましたが、実際はどれも許容範囲レベルで、いざゲームを始めればそんなに気にならなかったです。私などは4周もしましたし。
 特に、もう切った張ったやら死んだ殺したやらのゲームに飽き始めた人や、多忙過ぎて大作を満喫できない人や、ガッツリとは遊びたくないけどストーリーだけ楽しみたい人におすすめです。
 ただ、やはり人を選んでしまうゲームではあるので、特にせっかちな人やバトル大好きな人は、フリープレイを機会にあえて苦手なジャンルに挑戦したい! などの思いがない限りは避けたほうが良いかも知れません。

 いずれにせよ心に残るゲーム体験ができました。やはり最後に残るのは心の動きですね……このスタジオは現在次回作を開発中(リンク先重いかも)とのことで、そちらも楽しみです。


 






2017年1月8日日曜日

ゲームクリア感想77:INSIDE(PS4版)


最近のブログ更新頻度の高さは異常。
PS Storeでの配信開始は去年でしたが、当時は他の新作で立て込んでいたので、年明け第一弾としてようやく遊びました。

プレイ時間は5〜7時間くらい。
トロフィーは100%取得済みで隠しエンディングも見ました。

【良かった点】

◎ストーリー・世界観

ご多分に漏れず、私もこの点を一番期待してゲームを始めたのですが、期待以上でした。一見するとディストピアものなんですが、ビジュアルや演出から「オリジナルなものを作ろう」という情熱が伝わってきました。

 ストーリーに関しても、前作「LIMBO」と同じで作中に一切のセリフが無いにも関わらず、製作者とプレイヤーとの意思疎通が常に図られているという印象でした。
 プレイヤーの「この建物はこういう設定なんだろうな」という想像を否定せず、かといって本筋(示したい表現)からブレることもなく進み、しっかり完結しました(隠しエンディングはそうした関係を示唆しているのかなと思いました)。
 「ゲームならではの(自分で操作してこその)ストーリー」が意識されているゲームが好きなのですが、今作もその一つに加わりました。

 また、衝撃の展開からのラストシーンは今思い出しても泣けてきます。主人公の旅の終わりだと思うと……
 私事ですが、プライベートで生活環境が変わり、毎日喪失感を覚えてナーバスになっていたので、こういうストーリーは余計心に刺さりました。

◎全体的な難易度低下

先月クリアした「人喰いの大鷲トリコ」と同様に、私レベルでもノーヒントでクリアできました。ただ、流石に隠しエンディング(とそれに至るまでのトロフィー取得)は攻略サイトを頼りました。
 私にとって「LIMBO」は理不尽な難易度で、中盤辺りから攻略サイトを頼りながら進めていましたが、今回はゲーム画面と向き合ってしっかり堪能できました。
 やり応えの面で言うと賛否両論とは思いますが、私はこれくらいで十分に手応えがありました。

◎超親切な細かいオートセーブとチャプター選択

短いゲームにも関わらず、かなり細かくセーブしてくれます。
更にチャプター選択(メニュー画面の「ロード」)まであるというフレンドリー設計で、面倒くさがりでも快適に遊べます。隠しエンディングを見るためには、ステージに隠された特定のオブジェクトを調べる必要があるのですが、この機能を使えば初めからやり直す必要は一切ありません。

 プレイ時間の水増しをせずとも面白いゲームを作れる! という信念を感じました。
この辺の設計をメジャータイトルは見習って欲しい。


◯単純快適な操作

ボタンも2つ3つ(と長押し)くらいしか使わないので、操作はすぐに慣れます。
理不尽な挙動も特にありませんでした。

◯ホラー要素が強め

これも賛否両論ですが、私としては楽しめました。特に水中が怖い。

◯トロフィー100%が簡単(攻略情報前提)

プラチナトロフィーが無いので、トロフィーレベル的には美味しくないですが、前述の通りチャプター選択が細かいので、楽に収集できます。
 ただノーヒントとなると理不尽なので、やりこみ派にしかおすすめできません。


【気になった点】

△やや必然性に乏しいグロテスクな死亡シーン

グロ要素自体はOKなんですが、男の子が切断されたり血煙と化したりする死亡演出があまりゲーム自体に寄与していないというか、有るか無いかで言ったら無くても良かった、せめてLIMBOみたいに演出ON/OFFできればなぁと思います。
 「いや、キャラクターが無残に死ぬが故に残酷な世界観が伝わるので必要なデザインだ」というのも理解できる一方で「それでもショタリョナはちょっと浮いてるし人を選ぶなぁ……」と感じます。セリフも無く数秒で終わる演出なので、マイナス点という訳ではないですが、ちょっと気になりました
 この「なんか死亡シーンだけ浮いている現象」は新生トゥームレイダーにもありましたね。


【まとめ】

少しでも気になっている方へ。超おすすめなので遊んだほうが良いです。
全体的にとっつきやすくなっているので「巷の高評価に反してLIMBOがあまり楽しめなかった」方は更におすすめです。LIMBOの面倒臭さや理不尽さがかなり薄まっているので、買って後悔するということは無いかなと思います。
 ただ、謎解き・移動の遅さ・ホラー要素・グロ表現がどうしても苦手! ちょっとだけでも無理!! という場合は検討が必要かもしれません。それがマイナスになった上でなお良質な、強度の高いゲームではあります。

 年明け早々に、2017年旧作部門大賞候補が浮上しました。もし追加DLCなどがあれば是非遊びたいです。
 一方で、ストーリー展開に対する精神衛生のため、先月の心身ともに余裕があった時期にクリアしておきたかった思いもありますが、そうしたら「丁寧な良作」止まりだったのかもしれないことを考えると、今遊ぶべきして遊んだゲームだったのかも知れません。

2017年1月1日日曜日

ゲームクリア感想76:ウォッチドッグス2(PS4版)

前作の記事はこちら

まさかの元旦更新。
今、iTunes Storeで購入したオリジナル・サウンドトラックを聴きながら更新しています。

もう前作クリア後から購入決定していたので、発売日にスムーズに入手しました。
プレイ時間は、メインとサブのクエストを一通りクリアして、各アクティビティにも最低一回は手を付けて約55時間くらいでしょうか。
マルチプレイはハッキング侵入・バウンティーハンター・協力プレイ合わせて15回未満しか遊んでいません。協力プレイに至っては0回です。
トロフィー取得率は91%。


【良かった点】

◎操作性が大改善された

 ゲームを初めて真っ先に感心した改善点がこれでした。徒歩も乗り物も癖のあった前作に対して、両方とも軽快かつとっつきやすくなりました。TPSではトップクラスの快適さではないでしょうか。恐らく誰がやっても、移動がストレスに感じることは無いはずです。
 特に乗り物は相当な改善で、各レースのアクティビティやドライブなどがしやすくなって、操作の理不尽さみらいなものが無くなりました。
 フリーランニングで飛び越えられそうな所が飛べなかったりというのが若干ありましたが、先にR2ボタンを押してから移動スティックを傾けるようにしたらスムーズに行きました。
 
 あと、上下移動が増えたせいか主人公の年齢が若返ったせいか、段差にも強くなったので、不慮の落下死も減りました。

◎メインもサブもアクティビティも面白くなった

 なんか消化不良感のあった前作のストーリーに対して、今作のメインは「民衆を裏で支配する大企業と戦う若者たち」という明確なコンセプトに沿った話になっていて、解りやすい上になかなか盛り上がる展開でした。

 サブミッションもUBISOFTにありがちな、数だけ水増ししたお使いミッションではなく、数こそ少ないものの、いずれも個々にしっかりとミニストーリーが設定されていて、やりがいのあるものになっています。
 キャラクターもいい感じ。日本語吹替は主人公に最初違和感があったのですが、クリアする頃には最適なキャスティングだと感じました。誰にでも人当たりが良くて明るいけど、締めるところは締める性格がよく出ていて好感が持てました。

 アクティビティは数こそ前作より減ったものの、レース系が中心になっていて、個人的には細かいミニゲームが点在しているよりは楽しめました。ミニゲームクリア必須の解禁要素も衣装くらいしかないので、ゲームプレイにさほど影響なし。

◎新要素を用いてのステルス攻略が楽しい

 今作から「ラジコンカー」(前作シングルDLCにもあった)と「クワッドコプタードローン」が導入されて、攻略の選択肢が増えました。
 前作ではハッキングである程度撹乱できても、最終的な仕上げは自分でという流れでしたが、今作では、敵の屯する警戒地域に一歩も足を踏み入れずに目標を達成できたりします。ラジコンカーでアイテムだけ手に入れたり、スキルを覚えてドローンから直接爆弾を落としたりなど、汗をかかずに攻略できるのでハッカー感が増しました。

 一方で主人公の耐久力は下がり、敵も多少敏感になった(ように感じる)ので、より見つかる前に勝負を決めるのが重要になりました。
 正直、便利になりすぎて攻略難易度が低下した感じはありますが、これはこれで本来のコンセプトに合致しており、かつ楽しく遊べました。

◎ファストトラベルが速い上に飛べる場所が増えた

 ディスク版ですが、遠方でも10秒程度、近隣ならわずか数秒で飛べます。
これは本当に有難かったです。


◎警戒度が解りやすくなった

 画面左下のミニマップに解りやすく5段階表示されるようになって、大慌てで逃走している最中でも状況把握しやすくなりました。
 

◎BGMの大充実

 前作と同じで実在のミュージシャンの曲が採用されている上に、今作からミッション中でも流せるようになりました。
 また、ゲームオリジナルの曲も凄く良くて、クリア後すぐにサウンドトラックを購入してしまいました。洋ゲーとしては、かなり日本のゲームミュージックに近い楽曲なので聴きやすいです。といっても一部だけしか収録されていないので、個人的に好きなヨットレースの曲の配信を待っています。

◎トロフィーが取得しやすい

 オンライントロフィー有とはいえ、取得条件が緩いものが大半で、やりこみらしいやりこみをしなくてもプラチナトロフィーが取れるレベルです。収集家にはおすすめ。

◯←決定ボタンがこれになった

 前作の×ボタン決定も慣れればなんてことはなかったですが、他のゲームをやった後だと未だに操作を間違える私としては、こちらの方がやりやすいのは確かです。

◯衣装のバリエーションが増えた

 コートくらいしか変えられなかった上にどれもデフォルト衣装ほどピンとこなかった前作に対し、今作では変更箇所が6種類に増え、その数も膨大になりました。そのお陰で、ファッションセンスに自信のない私でも、同コンセプト同系色になんとなくまとめるだけで、リアルな自分の何倍もお洒落な服装に出来ました。

◯相変わらず単純で気軽なマルチプレイ

 マルチプレイ恐怖症の私でも何とか手を付けられるのがこのシリーズなんですが、その気軽さはちゃんと引き継がれていて安心しました。
 設定でオンにしておけば全モードがシームレスで発生する上、やることは基本シングルプレイの延長なので、新しい操作を覚える必要も無し。
 ハッキング侵入は基本かくれんぼ、バウンティーハンターは基本追いかけっこなので、その単純さもとっつきやすいです。いずれも短時間で決着がつくので、対人緊張が長引くこともなく。

 前作の経験も含めて、煽られたり切断されたりといったことはありましたが、一期一会、数分間の関係で終わるので、モヤモヤが尾を引くことも少ないのがまた魅力ではないでしょうか。
 まだ語れるほどには遊べていないので、これからも少しずつ遊んでいこうかと思います。

 私と同じマルチプレイ恐怖症の方にもおすすめです。やっぱり無理だと感じたら、設定でオフに出来るので安心(デフォルトではオンなので、必要なら早めに変更しておく)。

◯グラフィックが綺麗

 この手の大手人気タイトルは大体どれも綺麗ですが、今作では高所に上ったり車を運転したりする機会が多いので、風景の綺麗さがより印象深かったです。

◯住人の行動パターン・音声・テキスト類の増加

 街を歩くだけでも面白そうな会話が聞こえてきたり、ハッキングして聞ける音声通話もかなりの種類があったりして、攻略とは無関係なところでも楽しめました。音声通話では、ストーリーや設定の補足的なのも語られているので、探すのも楽しかったです。


【気になった点】

×テキストの文字サイズが小さい

 セリフの日本語字幕は許容範囲ですが、特にテキスト傍受やメール傍受は、画面の中の更に小さい画面に表示されるので、顔を近づけないと相当読みにくかったです。
 開発の際、ちゃんと色々な画面サイズに映してテストしているとは思いますが「テレビは画面からはなれてみてね!」で育った身としては、モニタに顔が近い環境前提の作りにどうしても違和感がありました。

×Car On Demandの配車位置に難あり

 相変わらず遠くに配置されることがあり「配車された車を取りに行くための車」を運転したりすることがありました。私がやった限りでは、250mよりも遠くに配置されたことは無かったものの、目の前に駐車場があるのにそこには配車されなかったりで謎です。

×Song Sneakの劣化

 未聴の曲が聞こえたら、その場でアプリを起動しないと登録されないようになってしましました。カーラジオから聴こえてきた場合、通知画面がでた頃には車が走り去ってしまい登録できず、というのも何度かありました。
 前作では流れているのを聴いたら即登録だったので、なぜこうなったのか謎です。

△ネットハック画面の大きな功罪

 今作では最重要クラスの新要素で、この画面に変えると壁を透過して向こう側の状況が把握できたり、回線の接続先が見やすくなったりするのですが、今回この要素に多くを預けすぎた気がします。
 というのもあまりに便利過ぎて、ステルス攻略中は基本この画面がデフォルト状態になり、折角の作り込まれた高グラフィックも、灰色の画面エフェクトに塗りつぶされて台無しな上、前作にあったリアルな緊迫感・臨場感がかなり失われてしまったと思います。
 また、今作では通常画面だと、一人一人カーソルを合わせないとプロフィールが読めないようになってしまい、すれ違うだけで住人のプロフィールが表示されていた前作の格好いい演出が失われてしまいました。

 マルチプレイのハッキング侵入もこれのせいで全体的にスピード感が上がり、前作のようなジリジリする緊張感が減退したように感じます。あの独特な空気が好きだったので、公式から最適解を提示されてしまい、なんだか楽しさが減ってしまったように感じます。
 
 攻略上は便利になったものの、世界観や格好良さを犠牲にしてしまった感があります。
効率最優先なゲームシステムを象徴するシステムですね。

△戦闘が何だかパッとしない

 ラジコンカーやドローンのお陰で、戦闘そのものをする機会が減ったのは良いですが、今作では「見つかったペナルティ」程度のものでしかなく、公式で推すような「プレイスタイルの一つ」では無いと感じました。
 明らかにステルス要素に注力されているのは嬉しいですが、前作のほうが戦闘バランスが良くてまだ楽しめたと思います。

△ストーリーがまだ弱い

 主人公は「大企業の犯罪予測システムに濡れ衣を着せられた」というのが、ハッカーにな(って大企業に虐げられている人々を守ろうとす)る動機なのですが、その割には、特定のスキルを覚えれば無実の人間に濡れ衣を着せたりすることができるので、設定の肝心な所に矛盾があるのがちょっと気になりました。
 あと「洋ゲーはラストが締まらない」という傾向にありますが、今作はまさにそれでした。今一つな前作ですらラストの展開は盛り上がったのに、今回はあと一回くらい山場が作れそうな、盛り上がり所の直前であっさり終わった印象です。
 続編の可能性大なのはとても嬉しいですが、単体としてしっかり終わって欲しかったとも思います。

△リアルマネー周り

 まずハッキング侵入にPS Plus加入が必須になりました。前作ではハッキング侵入だけは未加入でも出来たのですが、今作だとマルチプレイは受動的にしか遊べないです(侵入される側オンリー)。PS Plusは月額に見合ったコンテンツが無いと思っているので基本未加入でしたが、この機会にとうとう入ってしまいました。
 あと、シーズンパスの価格が高い。PS Storeで税込5.184円もするので見送りました。
興味があるのはシングルDLCの第2弾と第3弾だけなので……

(1/2追記)△アクティビティが減った

オンラインの尾行が好きだったので、無くなって悲しいです。あと、折角の乗り物アクティビティもオンラインで競う要素が見当たらなくて、張り合いがありません。
やや削りすぎたきらいがあります。

【まとめ】

思っていたより変化が激しくて戸惑いました。多くの要素が快適な方向に改善され、ストーリーやアクティビティなども充実した名作であることは間違いないのですが、前作の単純さと独特のノリが懐かしく感じるのも事実です。

 効率的に仕事をこなすハッカーを操作するので、効率重視の攻略を推奨した内容になるのは理に適っているとはいえ、なんかスケールダウンしたと思います。贅沢な言い分で本当に申し訳ないのですが、クリア後に残るものに乏しかったです。
 シナリオも、この設定と明るめなキャラクターのノリならもっと盛り上がるラストに出来そうなのに、閉店30分前に急に真顔で店じまいを告げられたような、この世界から締め出された気分になって終わりました。周りを巻き込みたいと言いながら有能な内輪だけで解決してしまった感……
 もちろん改善は望んでいたのですが、いくつかの魅力を犠牲にしてしまったかなと思わなくもないです。特にハッキング侵入は前作のほうが好きです。

 もっとも、それ抜きにしても非常に出来の良い作品なので、前作抜きでも単体で人に勧められます。今から続編が楽しみになりました。


 あと、とっくに言及されていると思いますが、同じく2016年発売のペルソナ5と設定が被る点があると感じました。

 ・支配層の大人(組織)と虐げられた若者の戦い
 ・実在の都市をモデルにした現代劇
 ・ハッキング
 ・各地にあるアジト
 ・何かとやかましい相棒・気の強いヒロイン・コミュニケーション苦手キャラ・口うるさい先達
 ・ステルス要素
 ・音楽に力が入っている など

 似ているだけで特に他意は無く、いずれもありがちな設定ではありますが、現代に必要とされているお話がこういうものなんだろうなという気にさせられます。
 なので、どちらかのストーリーが気に入った方は、もう片方のゲームも楽しめるのではないかと思いました。