ゲームクリア感想65:Republique(PS4版)

約二年半前のiOS版の記事はこちら

iOS版の展開が期待していたよりも遅く、これはシーズンパスを買わないで正解だったなと思い、ローカライズを期待しながらも自分の中で過去のものになっていたゲームでした。
それがある日、全エピソードがローカライズされて更にPS4で発売という嬉しいニュースが飛び込み、これは遊ぶしかない! と思った次第です。

忙しい方向けに結論から言いますと、値段分楽しめるかは正直厳しい内容です。
イメージに反してトロフィー全取得も面倒なので、その辺でも厳しいです。

プレイ時間は約10時間でした。衣装は変更せず。
トロフィー取得率は15%です。

【良かった点】


  • 収集要素が換金できる設計
私が知らないだけかもしれませんが、この手のゲームではありそうで無かったシステム。各収集要素に応じてショップで換金できて、そのままスキルの購入に使えます。こまめに調べていれば全てのスキルを揃えても余るくらいは手に入るので、スキル入手を逃すこともありません。

  • 先の気になるシナリオ・演出
 ラストのカタルシスは乏しいものの、それまでのシナリオは先が気になる内容で楽しめました。挿入されるムービーの演出がまた洗練されています。所謂ディストピアものとしては、体制側の怖さが執拗に描かれていて、漠然とした管理社会への憧れを打ち砕いてくれました。ラストは私としてはあまり納得出来ない展開でしたが、問題提起のインパクトを増すためには一番しっくりくるのかもしれません。
 また、日本要素が割とあるので、そこも楽しめます。

  • デスペナルティが希薄
 これはiOS版でもそうですが、エピソード4以外はまずゲームオーバー自体がなく、そのまま直近の監視部屋に連行されるだけで済みます。勿論すぐに脱出できます。
ペナルティとしては、持っていた催涙スプレーやスタンガンなどの武器を没収されますが、もう一度盗み直せば戻ります。道中で連行されたら、また道中にいる同じ敵から盗めば済みます。

  • 収集物の内容が濃い
 一つ一つにちょっとしたエピソードやコメントや書評がついていて、世界観を上手く補強しています。中でも面白いのが「フロッピーディスク」で、近年発売された実在のゲーム(海外インディーズ中心)が登場人物のプレイ感想付きで語られます。ゲームの中で他のゲームの感想を知るという珍しい体験が出来て、かつ参考になりました。
 ただ、後半の収集物はシナリオ上コメント無しになってしまうのが寂しいです。

  • タイトルが格好いい
Republiqueという文字面も意味もゲームの内容をよく表していて、これ以外は考えられないレベルです。ここにセンスが発揮されていると思います。


【気になった点】
  • 周回引き継ぎ要素が皆無
 これは心底がっかりしました。かなりの量の収集物があり、しかも監視カメラを通さないと判らないような場所にあったりするのに、全て一から集め直しです。
 トロフィーの8割方も収集物関連なので、計画的に進めないと殆ど集まりません。一周が短いゲームだからこそ、リプレイ性は高めて欲しかった。

  • カメラ切り替え時の読み込みが不安定
 監視カメラの画面が乱れる演出と相まって、バグったかと心配になります。また若干読み込みが長く、フリーズしそうで戦々恐々とします。
 
  • せっかく据置機になったのに操作がぎこちない
 固定カメラなのも相まって、PS2時代までのゲームのような操作感です。これはPS時代のアドベンチャーゲームを意識して意図的にそうしたらしいのですが、私としては懐古の感情が湧くよりも、ただただぎこちないと思うだけでした。

  • オートセーブのタイミングが解りづらい
 多くのゲームと同様、セーブの際は右下にアイコンが表示されますが、そのアイコン自体が小さいのでしょっちゅう見逃します。中断しようにもどこから再開されるのかが解りにくく、中断していざ再開したら思いの外巻き戻っていた、ということがありました。
 せめてOPTIONメニューからセーブ状況を確認できれば……

  • 収集物関連のもったいない仕様
まず音声ファイルを移動しながら聞けないのが地味に辛かったです。収集物の中でも「カセットテープ」は一本一本長丁場で、製作者が一番主張したいことが詰まっているんだろうなと思うのですが、再生中は聴いているだけになって退屈です。しかもこのゲームには吹き替えがなく字幕だけなので、ながら聞きが出来ないという。

 もう一つとして、トップメニューなどから収集物を確認できないのも残念でした。
クリア直前のセーブデータがあれば済む話ですが、周回引き継ぎ要素と合わせて、まとめて確認できる場所が欲しかったです。


【まとめ】
 テーマに対してゲーム性が弱い、という印象です。人を選ぶゲームであるのはiOS版から変わりありませんでした。監視社会というありがちなテーマを正面から描いたのは、私としては逆に新鮮で楽しめたのですが、ゲーム面での単調さとリプレイ性の低さが二周目への意欲を大きく奪ってしまいました。予算不足で周回要素まで手が回らなかった感があります。
 製作者はやりたい事が出来たのでしょうが、それだけ?という感じです。
 ただ、開発が難航している感じだったにもかかわらず、しっかり一作で完結しているのは素晴らしいです。私としても、話の終わりを見ることが出来てひとます安心しました。それでも、やっぱりラストくらいはもっとテンションを上げても良かったのでは?
 偉そうな文章になってしまいましたが、iOS版当初からステルスゲームの新星として期待を寄せていたタイトルだったので、少し残念です。
 
 


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