ゲームクリア感想58:ファイアーエムブレム トラキア776(Wii U VC版)


これはゲーム性に関わる重要なことだと思うので先にお断りいたしますと、
Wii Uの「まるごとバックアップ機能」をフル活用してクリアしました。

これはVC(バーチャルコンソール)の標準機能で、ZRボタンを押すと上記リンクの画像にあるようなメニューが出て、現在の状態を丸ごとセーブおよびロードが可能になる便利機能です。ただし上書き保存のみで複数のデータは作れません。

そのため、この機能を活用すれば、ほぼ無制限にやり直しができてしまうことになり(乱数を利用した育成なども。私は根気が続かなかったのでしませんでした)、高難易度に魅力を見出しているファンからすれば邪道と見なされるやり方でクリアしました。この記事の文章はそれを前提に書いています。

 FEトラキア776自体は、ニンテンドウパワーで配信されていた当時から知っていたのですが、前作の「聖戦の系譜」が大好きだった私は、ファミ通(多分)で見た画面写真に聖戦のようなダイナミズムを感じず(コンセプトからして違うので当然ですが)、知っておきながらスルーしてしまいました。ようやく興味が湧いてきた頃には配信も終了し、パッケージ版の価格は新品・中古ともに高騰。こうして最新ハードで昔のゲームを安価で買えるようになってようやく、という流れでクリアしました。
 実を言うと、2013年9月頃にWii U本体の購入とほぼ同時にダウンロードしたのですが、その高難易度に尻込みし、いざ始めても噂に違わぬ難易度に一マップごとに苦戦し、2回ほど長い休止期間を空けて、購入から約2年と3ヶ月後の今、ようやくクリアしました(オリジナル版の配信からは実に16年)。

クリア時間は約50時間(もっとかも) 。
成長吟味は行いませんでした。
総合戦績は↓
画像挿入も久々な気がする。ターン数は偶然です。  
攻略情報は中盤まで封印していましたが、数名の戦死者と二桁にも及ぶ仲間し損じにより、あまりの戦力不足に詰む恐れが出てきたので途中で解禁しました(16章辺り)。


【良かった点】


  • シナリオが良い
今年出た最新作のシナリオと比べる訳ではないですが、聖戦の系譜に対する「結局高貴な血筋を持つ貴族様無双じゃん」という(当時の私でも薄々感じていた)疑問に答えているという感じでした。何よりも言葉選びの稚拙さみたいなものが少ないのが良かったです。というかこの頃のFEの悪役は本当に外道ですね。
 色恋沙汰よりも戦争が話の中心で、主人公は序盤から終盤まで周囲の大人に見識の甘さを咎められまくり、自分の拙いプレイングと相まって「フヒヒヒ……スイマセン……」という感じで終始緊張感が漂っていたのですが、故にエンディングは感慨深かったです。「ウッウッ……リーフがようやく報われた……ヨカッタ」と保護者のような心境に至りました。
  何というか、高貴な血筋を持っていてもいなくても皆すぐ死んでしまう上に、シリーズの代表システムになった支援会話も無いので、「その殆どが平民出身の寡黙な兵士たちが地獄のような戦場を生き残り、静かに去った」的イメージが喚起されて好感を抱く、という流れはありますね。
 あと24章外伝クリア時の初期メンバーの会話で少し泣きました。

  •  やりがいのあるマップ
毎回章始めに敵配置を見て絶望していました。 その分ダレるマップは殆どなく(10章だけあんまりピンとこなかった)、初めは無理だと思っても、仲間がそこそこ揃っていれば進めていく内に何とかギリギリクリアできる難易度に収まっているのは凄いと思いました。

  • 前作までの不遇ユニットの見直し
ファイアーエムブレムと言えば斧使いの不遇、というイメージは最早過去のものですが、聖戦の系譜までは斧使いユニットは明らかに差別されていました。この風潮が改善されたのは封印の剣(トラキアの次作)だと捉えていたのですが、 違ったようです。シナリオもそうですが、加賀昭三氏は最後に聖戦までの不満点を解消してから去ったんだなと……


【気になった点】 

 

  • 初見殺しの多さ
いくらなんでも理不尽というのがクリアしての感想です。増援出現(特にリワープしてくる連中)もそうですが一番は仲間ユニットの加入方法で、前の章で一定条件を満たさないと行けない外伝でしか加入しないユニットが半分近くいる上に、そういうユニットに限って強い/強そうなので、外伝を逃すとただでさえ辛い戦闘と疲労システムも相まって辛かったです。
 二周目を始めるモチベーションにはなるし、初見殺しも嫌いではないですが、やり過ぎ(その自覚を持って制作したのだろうけど)。

  • 初期配置を弄れない
これにはやりがいよりもストレスしか感じなかったです(厳密には、参戦人数の増減である程度調整可能)。あえて制約を設けたのでしょうが、攻略のやりがいにさほど寄与しているとも思えなかったし。

  • 疲労度システムは合わなかった
強力ユニットによる一騎当千状態を避けるための措置、というのは解った上で言うと、このシステムがこれ一作で終わってくれて助かりました。
 育成したいユニットを育成できないのがモヤモヤしました。「Sドリンク」という疲労解消アイテムも数が限られており、フルメンバーで出撃したのは数えるほどです。理に適ってはいても……

  •  序盤の魔道士不足
これも何とかならなかったのかと思いました。敵の魔法に耐えられるユニットが少ないし、敵アーマー相手には貴重なアーマーキラーやレイピアを消費しないとまともに削れなかったり。


【まとめ】


 リアルタイムだったら間違いなく投げ出していたと思います(当時はインターネット環境も家庭になく、攻略情報をシェアするような友達も周囲にいなかったので)
 私の腕ではまるごとバックアップ機能をフル活用してなんとかクリア可能、というレベルでしたが、今攻略サイトを読むと相当数のアイテムや仲間を逃していることが判明したので、またやる気力が湧いてきたら、次は攻略情報を手元に置いた上で全員生存を目指してみようと思います。

 これで未プレイのファイアーエムブレムは外伝のみになりましたが(BSアカネイア戦記は新紋章のリメイク版で勘弁して下さい)、今のゲームに慣れるとなかなかFCタイトルに手を出す気になれず、リメイクの気配が完全に消失したら手をだそうかな、という程度のモチベーションです。
 外伝も3DSのVCで安価かつ気軽に手に入るので、やらないでいる理由は特に無いのですが……


【おまけ】


折角なので主力ユニットの感想を書きます。

  1. リーフ……クラスチェンジしたら馬に乗れると思っていた。中盤までは早々にLV20になったのを活かして各種削り役に壁役、クラスチェンジ後からラストまでは前線のエースという主人公らしい活躍。聖戦の器用貧乏なイメージが払拭された。
  2. フィン……中盤までは前線、その後は救出などのサポート役。ゆうしゃのやりを使いきらずにクリアできるとは思わなかった。
  3. オーシン……序盤と終盤に前線で大活躍。中盤は脚の遅さ故伸び悩んだが屋内では敵なし。最初はハルヴァンの方をを使おうと計画していたもののプージ無しで序盤は越せず。
  4. マチュア……よく避け、よく必殺を出し、よく壁となり、そして終章クリア直前で戦死させてしまった。マンスターの小さな丘に立つ墓には、よく砥がれたマスターソードが雨の日も風の日も輝きを放っていたという。
  5. ブライトン……クラスチェンジを果たした頃には騎兵の役目が終わっていたユニット。成長率が奮わなかったがゆうしゃのおのの持ち主として一軍に位置していた。
  6. フェルグス……序盤の活躍により、フリーナイトといえば剣使いにもかかわらず弱いユニットという、聖戦のイメージを払拭したユニット。14章にて戦死。ボロボロになったほのおの剣が刺さった彼の墓には、いつもシレジアでしか咲かない花の輪がかけられていたという。
  7. カリン……今回のMVP。とにかく飛行ユニットを育てておけば間違いはないだろうという予測が当たり、天馬から降りてもなお活躍した。滅茶苦茶助けられた。
  8. アスベル……魔道士不足の時代を単身生き抜いたショタ。グラフカリバーは23章で使い切る。クラスチェンジが遅かったのか杖使いとして活躍させられなかったがエースユニット。
  9. ナンナ……だいちの剣をクラスチェンジ後まで温存していた判断が効きまくって、前線に回復に大活躍。聖戦の頃の使い所に困る感じは一切なし。
  10. ロベルト……10章でセルフィナを戦死させてしまい、急遽闘技場で育成したアーチナイト。しかし良成長を見せてあっという間に一軍へ食い込む。24章外伝にて待望のクラスチェンジを果たすも、終章にてセルフィナの後を追ってしまう。二人の墓には同僚の騎士たちによる誓いの言葉が刻まれていたという。
  11. マリータ……うっかり流星剣のスキルを取り逃がした。とにかく遠距離攻撃に弱かったが、仕留めたい敵は確実に倒す仕事人。
  12. ディーン……飛行ユニットを育てておけば間違いはないその2。剣レベルAにより屋内でも活躍した。よく疲れていたけどSドリンクは一度も飲ませなかった気がする。
  13. エダ……飛行ユニットを育てておけば間違いはないその3。育成中心の運用だったけど、終盤の屋内戦に耐えうる戦力までは伸ばせず。ナイトプルフをもう少し手に入れていれば違ったのかも。
  14. リノアン……よく捕獲されるリセット要因な一方でとてもよく避けるので、サンダーを持たせて囮にすると敵集団を全員返り討ちにしたりする武闘派の運用をしていた。ナイトプルフを持たせてもクラスチェンジできず、調べたら直前の章限定で可能という情報にぶち当たった時の気持ち。
  15. ラルフ……一騎当千の活躍とはいかないものの、後衛の護衛や体格を活かした担ぎには大活躍した。突然の敵に遭遇してもHPの高さ故一撃死しないのが大きかった。
  16. サラ……加入から終盤まで大活躍。Sドリンクを2回も飲ませてしまうほど。高魔力を活かした各種状態異常杖が最強の武器。
  17. ミランダ……中盤加入の割にマージLV5という脆弱さも、魔道士不足の前では躊躇う理由にならなかった。結局育てきれずマージLV15で終わってしまったけど、いい稼ぎ場所があればエースも夢ではなかった。
  18. セティ……まさかのフォルセティ使いきり。しかし状態異常杖さえ使えれば終章はそれだけで戦力なので問題なし。23章クリア後の会話が熱い。
  19. ガルザス……普段なら使わない終盤の救済ユニットもフル運用。初期装備が潤沢なのが嬉しい。

捏造死亡コメントはクリア直後の勢いで書いてしまった。

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