ゲームクリア感想19:ワイルドアームズ5 the Vth Vanguard


 苦しい……懐かしさで胸が苦しい……

フィールドマップ、耳に馴染む音楽、エンカウント戦闘……
昔はこんなかんじのRPGばっかり遊んでたな、あの頃ゲームと言えばRPGだったなという懐古の情が喚び起こされるゲームでした。
 もっとも、このソフト自体は2006年という比較的新しい年(といっても7年前だけど)に発売され、かつシリーズ十周年記念作品という触れ込みだったので、このソフトそのものが懐古的な存在ですね。

 つまり、ワイルドアームズというRPGブランドの懐古を通じて、ごく私的なゲーム体験への懐古を深めたといえます。
 私自身JRPG自体にやや飽き気味だったり、他にも積みソフトがあったり、PS4やらXBOX ONEやらの次世代機の発売時期も決まったりなどの理由で、そろそろこの辺で旧世代に一区切りつけておこうと思っていました。
 具体的には、パッケージで旧世代機のソフトを購入する事自体を少なくしたいと考えています。置き場やらディスクの傷に煩わされるのはもう充分かなという。

 個人的な一区切りには相応しいソフトだったと思います。
未プレイのalter code:Fや4は、PS2アーカイブスで発売されるのを待つことにします。
(いくらSCEJAと言えども自社のソフトくらいは配信するだろうという楽観)

因みに一周目のクリアメンバーはディーン・レベッカ・チャックでした。


【良かった点】
  • 音楽が予想以上に良い
個人的好みで言えば、シリーズで一番良いと思います。
いつもの担当の人が外れたということで、発売当時は賛否両論だった記憶があるのですが、曲数豊富な音楽のお陰でエンディングまで続けられました。
 特に序盤のフィールド曲「 あの空の下、広がる地平 」は聴いていると泣きそうになります。まさに日本のRPGのフィールド曲!という感じで。
 荒野というより現代的なBGMも多くて、それが新鮮。
  • 戦闘を高速化出来る
「設定」→「アクセラレイター」をオンにすると、演出やカメラアングル移動殆どなしでサクサク進みます。
 エンカウント戦闘のダルさ解消に一役買っているのは間違いないです。
 戦闘システム自体も、有利と不利があっさり逆転されたりしてなかなか面白いです。
  • レベル上昇が早い
クリア時の主人公のレベルは89でした(99上限で)
戦闘回数は少なめで、その分入手経験値が多くてバンバンレベルが上がります。特に中盤から入手経験値上昇の装備品が作れるので、手放せませんでした。
 経験値の入手量次第では3,4戦しただけでレベルが上がることも。快適。
  • 戦闘難易度が下がった
あくまで本編のみですが、ボスで全滅することは二回程度しか無かったです。
特にラスボスはシリーズ最弱ではないでしょうか。1と2でもさほど苦労した覚えが無いのですが、3のラスボス(十段回変化で有名)は強敵だった。
  • エンカウント回避方法の変更
今までと異なり、ダンジョンの奥にあるソル・ニゲルと呼ばれるオブジェクトを解放するとエンカウントオフに出来るようになっています。
 解放するには同名の敵に勝利する必要があるのですが、ダンジョンに居るタイプはその時のレベルで十分勝てる程度の強さです。
  このゲームの場合、サブイベントでダンジョンに再訪する事が多いので助かりました。
  •  ジャンプアクションが便利
着地ダメージも無く、ハシゴも途中で降りられます。
  • パッケージが素晴らしい。
こういう構図が好き。サブタイトルの意味にも合致しているし秀逸なデザイン。
 RPGのパッケージ絵では一番好きかもしれない。
  •  キャラクターのボイスが豊富で飽きない
特にゲームの進行度で戦闘勝利ゼリフなども変わるのは細かい。
あと、街では小さなオブジェクトにも反応して主人公が独り言を呟いてくれるのも面白い。
  • 謎解きの難易度がやや低下
それでも後半からは難しくなります。

その他
  • 細かいカットシーンでもスキップが充実している
  • 仕掛けがある空間の大半は仕掛けを解くまでエンカウントしない
  • ラスボス戦は盛り上がる(燃える曲が流れる)

【気になった点】
  • あらゆる局面でローディングが遅い
マップ切り替え、戦闘終了後、装備画面……
特に装備画面は頻繁に開くのに、そのたびにキャラクターモデルを読み込んでいるのか、謎の操作不能時間が発生してやきもきします。キャラクターの衣装を変えられるRPGだとありがちですが。
 あと、顕著なのがテレポートオーブ使用時。
他の大陸に移動する時は15秒近く掛かります。
  • 敵の移動が遅い
もたもた歩く敵が多くて、それが四体連続だったりするともう…
しかもアクセラレイターをオンにしてもなぜか移動はスキップできないんですよね。
  •  とにかくキーのレスポンスが悪い
 アクションでこれは致命的。特に現行機の滑らかさに慣れてからだと辛い。
  •  シューティングモードの自動エイムの精度が悪い
アクションは主人公の持つARMの「カートリッジ」 に一本化されたのは良いとして、思った場所に狙いを付けられない事が多く、燭台に火を灯すだけでもチマチマ場所移動したりがよくありました。
  •  テキスト・演出周りの不自然さ
  深刻なシナリオが進んでいる最中に、やたらノリの軽い会話が始まったり、重大な発言の後に関係者のリアクションが薄くて違和感があったり、テキスト周りが 不自然。中ボスも毎度毎度、道の真ん中で唐突に出現したり、ボス前演出もワンパターン。
  • 地図が読みにくい
フィールドマップは地図というよりもイラストであまり実用的ではありませんでした。
ダンジョンマップは現在地を「現在居るフロア」単位でしか表示してくれないので、出入口が複数あると方角が解らなくなって混乱する。
  • ゴーレム
戦闘は見てるだけで、しかもゴーレムで戦闘すると経験値が手に入らない為、強制戦闘以外で戦う理由が無いです。ゴーレムの雑魚戦BGMは好きですが自動で戦闘が進むのでじっくり聴くこともできないし。
 アルゴリズムを組めるけど奥が深い要素でもなく。
    • 改造実験塔Sect:Gのジャンプアタックで足場を下ろす仕掛け
    3時間詰まりました
    調整不足というか理不尽すぎる。上から降りてくる足場の様子を確認しずらいので、自分のやり方で合っているかどうかが解りづらく、しかも降りてきた足場の戻る速度が異常。
    折角下まで下ろしても僅かのミスで一気に上に戻ってしまい、心が折れることしきり。
     攻略情報を漁っている時に知ったのですが、あそこで苦労した人は多いようですね。

    その他
    • 街の縮尺が素人目にみてもおかしい。
    • ダンジョン脱出アイテムの入手が遅すぎる

    【まとめ】
    • 同じくらいの発売時期
    • 十周年記念作品である
    • 同じくナンバリング5作目
    • 眺めてるだけの戦闘がある
    • 全体的にもっさりした動作(その割に戦闘は早送りできる)
    • あまり再現できていない歴代キャラクター出演
    • 隠しダンジョンが充実している
    など、フロントミッション5と共通点が多いことに気付きました。(因みに、こっちの眺めてるだけの戦闘というのは闘技場で、笑えるくらい楽しくない)
     どちらもシリーズ最悪ということはなく水準以上に面白いのですが、野心に溢れた初代と比べると、体裁は整ってるけど緊張感が無いというか。

     ワイルドアームズ5だけに話を絞ると、歴代キャラクターのお馴染みネタやお馴染み隠し要素やキャラコスも良いけど、初代や2のような、本編の持つ引力だけでラストまで引っ張られたかったですね。
     後発ゆえのシステムの快適さとBGMの力が大きかったという印象です。

     金子節不足などの理由でシリーズファンからは賛否両論だけど、予想しているよりもずっと面白いRPGなので、未プレイかつシリーズファンの人はいずれ遊んだ方が良いかなと思います。
      
     今の所二周目は考えていないですが、PSPのXFもいずれ遊びたいです。


     ※改造実験塔Sect:Gの攻略法メモ
    • ジャンプアタックしたら、モーションが終わるのを待たずにスティックを隣のスイッチの方向に倒しておく。
    • スイッチ間の移動はスライディング、小ジャンプ(これが難しい)
    • ジャンプ→ジャンプアタックに繋げる際、モーションを待たずに×→□を素早く押してモーションキャンセルする勢いで。






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