ゲームクリア感想18:デッドアイランド リップタイド

 ゲームのトレーラーながら世界で高評価を得た感動トレーラーで有名なこのRPGシリーズですが、初代発売当時はどういうゲームなのかよく解らなくて買いそびれていました。

 ところが一年前にいざ遊んでみたらなかなか面白く、「ゾンビに支配されたリゾート地」という垂涎ものの世界を自由に歩き回れることにも感動。不満点やストレスはあれど2周クリアして楽しめました。

 ゾンビというよりも終末世界萌えな身としては、血で赤く染まるホテルのプールや、海辺の高級コテージで音楽をかけながら死体の横で踊り狂うキャラクターや、観光バスの横に放置された旅行リュックの山などを見ただけで、「これだ!」 と確信しました。
 残念ながら最高のロケーションは序盤のそこがピークで、あとはありがちなロケーションが続いてしまうのですが。

 そして続編である今作ですが、前回はサム・Bとプルナを主人公に選んだので、まず一周目をローガンでクリア、今は二周目をシアンで進めています。

PS3版、一周目のクリア時間はサブクエストをほとんどこなして約28時間でした。シングルプレイのみ。


【良かった点】
  • レベルが上がりやすくなった。
日本版のみの特典として、主人公選択時にレベルアップ用のポイントが15ほど与えられるのですが、そのおかげで序盤から比較的スキルが充実します。それに加えて今作はまとまった経験値が入手できる機会が多く、サブクエストをしっかりこなしフュリー(必殺技みたいなもの。これで敵を倒すと入手経験値も多くなる)もケチらず発動すればレベル50はあっという間です。
  • シングルプレイでも他の仲間と一緒に戦ったり会話したり出来る。
前作ではムービー以外は仲間同士の会話も無く、主人公の独白もごく僅かで単なる操作キャラクターでしかなかったのですが、今回は拠点にいれば全員と話せる上に、探索中やクエスト中、スタミナ切れ回復後なんかも頻繁に独り言を呟くので楽しいです。
 個人的にこのシリーズの主人公たちが好きなので特に。なにげに、洋ゲーにしては珍しく5人中3人が有色人種なんですね。
  • メインクエストの防衛戦が面白い。
SRPGならともかく、リアルタイムでの防衛戦はジャンル問わず苦手なのですが、今作のそれはシングルプレイでも共闘感が強く、盛り上がりました。メインクエスト限定なのが惜しいくらいです。
  • 市街地マップが遊びごたえのあるものになった。
前作のモーズビー市街は同じような景色ばっかりでリゾート地との落差に正直がっかりしたのですが、今作の市街地は地形も変化に富んでいて探索が楽しかったです。
  • 引き継ぎ要素が充実。特にマップ踏破分も引き継いでくれる。
 特にマップ踏破分も引き継いでくれる←ホントこれ。そんな難しいことでも楽しみを著しく損ねることでも無いと思うのですが、これをしてくれないソフトが2013年の今でも大多数なので、今作はこれだけで好感が持てます。他にもレベル、所持品、所持金、収集物などほぼ全て引き継いで2周目に突入できます。ただ同じ主人公限定なので、気分を変えて他の主人公で始めたい時はまた最初からですが……
  • 投擲武器の種類が増えた。
これも相まって投擲自体が強くなった気がします。
  • ローディングが若干早くなった。
 本当に少しだけ。
  • コレクタブル(収集要素) が増えた。
 読めるテキストが倍増して収集が楽しくなった。
  • 武器改造がいっそう楽しくなった。
特に範囲攻撃の改造が出来るようになると、戦闘の爽快感が増します。
  • 実績/トロフィーが収集しやすい。
6割くらいは簡単に埋まります。協力プレイ限定のも少しだけ有り。
  • 相変わらずテーマ曲が良い。
サム・Bの容姿がゲーム中とは違うことは置いておいて…… 因みに、ゲーム中のキャラクターの新曲PVという設定です。HIPHOPです。


【気になった点】
  • 前作のセーブデータ引継ぎがない。
日本版に限り。愕然としました。折角前作がそこそこ売れた('利益が出たかは知らないけど)のに、勿体ないと思います。海外版発売から2ヶ月半遅れで出たので、ファンは海外版に日本語パッチ当ててプレイ済みだろう、と考えたのかもしれませんが……
  • 正直フルプライスは高い。
システムもグラフィックも前作と殆ど変わらず、ボリュームもやや少なめ。パッケージ版だけじゃなくてダウンロード版が欲しかったです。つまらなくはないけど値段を鑑みると釈然としません。
 そもそも、日本版発売時点ですでにご存知steamで安売りされていたので、PCで遊べる環境があって日本語吹き替えにこだわらない人ならこのコンシューマ版を購入する理由が皆無なんですよね。私は買いましたけど。
 というか上の項目もそうだけど、本当に日本版を売る気があるのか……?
  • 前作の欠点は相変わらず。
頻繁に開くのにクソ重いメニュー
投擲武器がめり込んで回収不可能
死亡後変な所から再開
マップ切り替わり後のテクスチャ貼り遅れ(?)多発
運転席側からしか車に乗れない
相も変わらず存在するインフェクテッド無限湧き
耳に悪い音量バランス(敵の叫び声が異様に大きい)
サブクエストのフラグが消える

……などなど、前作の欠点が殆ど直ってないのには流石に萎えました。
全部直してくれとは言わないのでこの内2つくらいは改善して欲しかった。
  • ミニダンジョンがどれも同じ構成ですぐに飽きる。
今作ではいくつか点在する洞窟や民家に入って探索できるのですが、それが2,3パターンしかないのでやることは戦闘とアイテム回収だけ。すぐに飽きます。
  • コレクタブルの説明文の自動スクロールが遅い。
速くする操作が見つからないのですが……
  • 何も進展していないシナリオ。
もしかしたら続編に繋げる予定なのかもしれませんが、それにしても何というか、もう少し演出できただろと思います。
 演出といえば、折角今回の新テーマ曲があるのに、ゲームの戦闘中という忙しないタイミングでしか流れないのでまともに聴けないという。
  • 思っていたより水浸し感が足りない。
水没感には生活感が必要不可欠だと考えているのですが、屋外が広域に浸水しているロケーションがあるだけで、生活の場に水が及んでいる感がなく、更に言えば災害に見舞われた感じが足りないと感じました。市街地にしてもほとんどは陸路で歩けますし、水没している場所にしても、もとからこういう水の都だったのでは?という印象です。市街地もボートで進めるくらい水浸しでも良かったです。

 「ディザスター デイオブクライシス」(Wii)、「SIREN:New Translation」(PS3)、「ラストオブアス」(PS3)あたりの比較的生活感ある水没に比べるとピンと来ないです。

 水没の項目だけでこんなに行を費やしてしまった。

【まとめ】

 後日談的続編ということで、よくも悪くも相変わらずのデッドアイランドでした。
ただ前作に感じた単調さだけは薄れていたので、その意味では新鮮に楽しめました。
リゾート地という考えうる限りで最強のロケーションを失ったのは痛いなと思っていましたが、実際遊んでいる最中はあまり気になりませんでした。システムはほぼ一緒なのでリゾート地が良いなら前作をやればいいですし。

 でも人には勧められないですね。シナリオもB級だし、色々とストレスが溜まるし、ゾンビものが好きとかオープンワールドが好きとかのフックが無いとクリア前に飽きると思います。
私自身も、単調なサブクエスト群とミニダンジョン巡りとインフェクテッド無限湧きを想像するだけで、開始したばかりの二周目のモチベーションが下がっています。

 本作の開発会社のTechlandは、次世代機でも出るこの新作共々楽しみにしているメーカーなので、今後も追って行きたいですね。
 このDying Lightにシナリオが引き継がれる……感じはしないけどどうなることか。



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